No.145 日本の伝統の技、金継ぎ~愛おしいモノのストーリー

朝の一杯、今朝のお茶。

大学時代からの旧友が。。。

輝美が割ってしまった紅茶茶碗を、日本の伝統の技で継いでくれた。

金継ぎは、茶の湯が盛んになった室町時代に
茶道の世界に始まった。

漆を塗り、乾かし、また漆を塗って、鑢をかけ、

また漆を塗り、何度も繰り返し

最後に金をのせる。

何か月もかかる、忍耐と手先の器用さが要される作業だ。

そして、割れて修復した傷跡を、「景色」に見立てるわびさびの世界。

さて、この緑の紅茶茶碗は、

イタリアのリチャードジノリ社によって作られた。名前はオリエンテイタリアーノ。

ロンドンの百貨店、ハロッズで買い求められ (紅茶茶碗を買ったときのストーリーはこちらをクリック。)

ニューヨークへやってきた。

毎日使っているうちに、
思いもかけず銅製の急須の蓋がポロリと落ちて、
ポコンと2つに割れてしまったこの紅茶茶碗は

東京で、

旧友の優しい手の中で丁寧に金継ぎされ、

再びニューヨークに戻って毎朝、良い目覚めのための一服に使われている。

この友、学生時代にカリフォルニアで共に学び遊んだ仲だ。

去年の夏から修理に入って
この夏、手元に戻ってきた紅茶茶碗は、

買ったときよりずっとずっと美しく、愛おしく、
お茶が美味しく頂ける。

そして、そんなストーリーのあるモノたちは、
わたしたちの日々の暮らしをなんだか豊かにしてくれる。

さてさて、

あなたの大切なモノたちには、どんな愛おしいストーリーがありますか?

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