No.14 手作りの夏のワンピース
昔から母に、
輝美の着たものには
ぺんぺん草も生えないわ、
と言われる。
こういう言い回しが
この世の中にあるのか、
母が作った言葉なのか。
とにかく、
好きな洋服は、
着尽す。
やぶれたら繕い、
季節ごとにお手入れし、
時にはおなおしに出して
デザインを少し変えてみたり、
染め直したりしながら
もう無理だ、ということになるまで
着るものが多い。
さよならしなくちゃいけなくなった時には、
その面影をもとめてショッピングモールを
さまよい歩いてしまうこともあるぐらい。笑
つまり母が言いたいのは、
どんなところにでも生息するはずの
強いぺんぺん草(ってなんだ??)が、
育つための栄養すら
輝美の着つくした洋服には残っていない
ということ。
良し悪しの問題ではなく。
値段の高い安いが
必ずしもかかわっているわけでもないのだけれど、
歳をここまで重ねて色んなものを見てしまうと、
そんなに惚れ込んでしまう洋服を、
予算内では見つけられないこともあるのが
困ったところ。
そんなことを考えているうちに
届いてしまったのが、
Diorの雑誌。
胸がドキッ。
そしてどんどん膨らむ我が想像力。
こんなスカートがついているのかしら。。。
と、スケッチ。
気になって
57丁目とマディソン街にあるDiorを
のぞいてみたら、実はこれ、
2,600ドル=30万円ぐらいのベストでした!
ウエストがきゅっと締まってて
お尻にむかって広がった、
ハードな素材で型のしっかりとした
宇宙人っぽいベスト。
友達のデザイナーさんが
輝美バージョンを
つくってくださる事にきまり。。。
彼女に連れられマンハッタンは32丁目あたりの
布の問屋街、Garment Districtへ。
そこにはお裁縫をする熟練の男性の大きな銅像が。
きっと、こういう神の手をもった
職人さん達が、
世界を率いるニューヨークの
ファッション界と経済界を
一昔前まで支えてきたのでしょうね。
今では、数少なくなってしまった
そんな職人さんたち。。。
テレビの番組で有名になった布問屋さんMoodは
嬉々とした若者でいっぱい。
明けても暮れても、布、布、布。
そこでこれかな、という布の
サンプルをもらってくる。
決めたのは青緑色の
ダブルフェイスのジャージー生地。
これ、私の体のマネキン版。
お胸の位置は、標準より下。
ウエストにもパットをつめて。
それを基に、モスリンで作った型紙。
最初の試着。
つづく。。。
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